アーユルヴェーダとは5000年もの歴史を持つインド発祥の伝統医学です。
また、世界3大伝統医学の1つで、ほか2つのユナニ医学(ギリシャ アラビア医学)や中国医学と共に相互に影響を受けて発展しました。
近年このアーユルヴェーダがWHO(世界保健機構)に予防医学として登録されたことで、海外の大学ではアーユルヴェーダの医学科を開演しているところも多いほど注目されているようです。
この現在大注目のアーユルヴェーダ医学についてこのページでは詳しく解説していきます。
アーユルヴェーダの語源と目的
アーユルヴェーダとは、サンスクリット語でいうアーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/真理・科学)を組み合わせて作られた生命科学という意味を持っています。
アーユルヴェーダの特徴として、トリ・ドーシャ説というものがあります。
トリは3を意味しており、ドーシャは身体を構成する基本組織のことを指しています。
身体といっても人間だけではなくて、動物・物質、時間など全てのものにこのドーシャは存在すると考えられています。
植物の自然エネルギーを生かし、人間が持つ自然治癒力を最大限に引き出し、美と健康の妨げとなるトラブルを内側から改善して心と体のバランスを整えることがアーユルヴェーダの目的です。
人体の3要素トリドーシャ
人はトリ・ドーシャ(以降、ドーシャ)と呼ばれる3つの要素となる、ヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(土)の3大要素が身体を構成していると考えられており、このドーシャバランスの均衡を保つことで健康になるということをアーユルヴェーダ医学では定義しています。
これら3つのドーシャはバランスよく持っていることが身体を健康的に保つために理想とされますが、生まれ持っている体質や、生活環境、時間、年齢、場所、天体など、様々なことが影響して偏り変化します。
トリ・ドーシャそれぞれは以下のような意味を有しています。
ヴァータ
空と風の性質、エネルギーを表します。
軽・動・速・乾・冷の性質をもちます。
対内の動き、運搬、排泄に関する役割をもちます。
ピッタ
水と地の性質、エネルギーを現します。
重・遅・湿・冷・粘の性質をもちます。
対内の結合、同化、免疫に関する役割をもちます。
カパ
水と火の性質、エネルギーを現します。
軽・熱・鋭に関する性質をもちます。
対内の消化、代謝に関する役割をもちます。
人々の体質が決まると考えられており、体調が悪いときには、体質ごとに対処法が異なります。
その為自身のドーシャのバランスを知ることが重要です。
アーユルヴェーダの経典
以下はアーユルヴェーダに伝わる経典となります。
- 小食な人は長生きする
- 健康に良い食べ物はあらゆる生き物の成長の要因である。健康に良くない食べ物はあらゆる病気の原因である
- 健康に良い食べ物とは身体のバランスを維持する食べ物であり、そのバランスを崩すものは不健康な食べ物である
- 食べるときは胃の3分の1が食べ物で、3分の1が飲み物で3分の1が空間という比率で食べると良い
- 菜食せよ。食べものを殺して食べるのは、良い食べ物ではない
- 食は神の姿である
- 真の栄養は正しい種類の食べ物、正しい飲み物とともに、正しい分量を、正しい時間に、正しい友人たちと、正しい場所で正しい心のあり方で食べることである
アーユルヴェーダ基本思想まとめ
適切なものを適切な時間、場所、人と共に食す事によって正しく消化し、体に毒素を残さない事が大きく健康に対して効果を発揮します。
精神状態も大きく健康を左右する要因となり、心身共に健康に過ごすことが病気を防ぎ長生きをする秘訣です。
人体を形成している要素をしっかりと理解した上で食べるものを選び、自分に合った生活を選択していくことが健康を守り長生きする事に繋がります。
アーユルヴェーダの事を知らない人が内容を知るとその哲学的な考えが含まれることから敬遠する人もいますが、歴史ある世界3大医学の一つで近年西洋医学にも取り入れられているほど科学的根拠があるのです。
WHOにも予防医学として指定されています。
自分に合った食材を見つけて必要な栄養素をしっかりと摂取していく事で未然に病気を防ぎ心も身体も元気な毎日を送ることができます。